日暮れ、道遠し

つくばで日本語教育をやっている大学院生の、見たこと聞いたこと考えたことなどについて。

大学院受験・覚え書き ~専門科目・英語編~

だいぶ間が空いてしまったけれど大学院入試専門科目と、英語について。実際どうだったかというのもそれぞれ併せて書きます。

 

研究計画書編はこちら

大学院選び編はこちらから。

 

専門科目

大学院入試で研究計画書と双璧をなす、専門科目筆記試験。実際どうなのかは知らないが、自分にとってはドレスコードのようなものという感覚があり、大学院にいる人間としての前提みたいなものだからと思って専門科目の勉強はしっかりめにやった覚えがある。

用意したのは岩田ほか(2012)『日本語教育能力検定試験に合格するための用語集』アルク)。

これはいい。いい本です。読んでいるとどんどん分かった気になるのがいい。もちろん本当に分かるようにはなるんだけど、「ほんとに分かってんの?」というレベルでやり直したのが大まかな自分の勉強のやり方。

たとえば「シラバス」という言葉がある。「あーシラバスね、うんうん」となる。

いや、シラバスって何なんですか?ここに書いてみて?

 

……あの、ほら、どの授業でどれをやります、的な?文法シラバスとか、場面シラバスとか、ある、よね?

 

こういうのをつぶしていった。きちんと、一続きのまとまった文章で説明ができるように。

 

とはいえもちろん1冊まるまるすべてでそれをやるわけにもいかず。幸いにも過去の問題が数年分公開されていたので(大学に直接見に行くしかなかったので、指導希望の先生に会った時に見てきた)、それを見ておおまかなノリを掴んで、そのノリに合いそうな問題のヤマも同時に張った。まんべんなくやりつつ、この辺はまあ出ないだろうなというところは薄く、この辺はありえるな?というところは厚めに勉強した、という感じ。同時に第2言語習得についての基本的な本(これとかこれとか)や、CEFRとかCLILとかといった最近ホット(なよう)なあたりの本を読んだりもしていた。

 

ちなみに。まとめたポイントはせっせとノート(アナログ)やらEvernote(デジタル)にまとめていたが、まあ飽きが来る。ということでこんなのをPowerPointで作ったりもした。

f:id:higureya:20190801191242j:plain

いらすとやのところを任意の推しキャラに。自分の場合はパッと思いつかなかったのでとりあえず初音ミクで。別に内容は変わらないんだけど、潤いが出る。推しキャラが日本語教育について喋っている…… という、この潤いが、いい。そこそこな枚数を作ってPDFにしてスマートフォンに保存すれば、君だけの「〇〇と学ぶ日本語教育」ができるぞ!

 

色々とやっているうちに、自信と不安が同時に来た。もう少し厳密に書くと、交互にやってくる感じ。「どうなるかな―大丈夫かなー、これで全然わからんのが来たら……」「いや大丈夫やろ、それでダメなら他の人もダメなはず!」「そうだよね今までやってきたことで対処はできるよね……でももし全然わからんのが来たら……」以下無限ループ。

と、言うわけで思いついたのが「何が来ても(もし十分書けなさそうだったら)この話に繋げよう」というもの。もちろん「反転授業について説明しろ」という問題に口蓋化の話を突っ込むわけにもいかないので、吟味はしたけれど。とはいえそうやって厚めに準備するものの中に特に厚いところを作っておくのは精神的にいい、と思う。単騎待ちに全然違う問題が来ても困るので、その辺のバランスは要調整で。

実際の試験はその厚めに準備していたところに真正面から来た。もう、ほぼほぼど真ん中と言ってもいいくらいのところに。試験問題を見てびっくりした。声も出しそうになったけれどそれは我慢。楽しく答えられました。

しかしこれも生存者バイアスみたいなところはあると思うので、油断しすぎずまんべんなくしっかりと準備しておくのが大事かな、と、思います。それぞれの項目が頭の中で繋がるようにしていたら、いいんじゃないかな。試験の内容にもよりますが。

 

英語

さて英語。まあなんとかなるだろう。そう思っていた。と言うか今更英語の勉強って何をどうしたらいいんだよ……と途方に暮れていた。

とりあえず単語か??と大学院入試用の英単語集を買ってみたり、大学院入試向けの本を買って練習などしていた。『詳解 大学院への英語』、これはいい本だった。

本はいい本だったのだが、直前のトレーニングは結局付け焼き刃な印象がやっている最中でさえも強くあった。それよりもやっぱりそれまでどれだけ英語に触れてきたかってとこなんじゃないか、と思う。対処法と謳っておきながらこういうことを言うとズルく聞こえるかもしれないが、自分の場合アメリカに派遣されていたことで、英語をバン!と出されても「うえっ」と思わなくなっていた。それはかなり強みだったんじゃないかと思う。

試験は、まあ、何とかなったかな?という手ごたえ。余裕をこきすぎて終盤「時間足りなくね?!?!?!?!?!?!?」と半狂乱になったりもしたが、何とかなりました。自分の場合は何がどうなるか未知数すぎて大した対策もできなかったけれど、もし自分が受験する大学院の英語の出題形式がわかるなら、時間配分とか解き方とか、そういうのを考えておくのも(その方が?)有益だったりする、かもしれない。

 

 

続きは次回、後編で。実際の試験・面接について。今年度の試験が終わるまでには、なんとかする……します……