日暮れ、道遠し

つくばで日本語教育をやっている大学院生の、見たこと聞いたこと考えたことなどについて。

大学院受験・覚え書き ~研究計画書編~

日本語教育の研究をしたい、と思った自分が一旦大学を離れてから大学院修士課程を受験した際どうだったかなーといった内容。主に受験準備についてですが、同じように大学院受験を(特に一旦大学を出てから)考えている方の参考になれば。えらく長くなったのでいくつかに分割します。

 

大学院に行こう

とは前々から考えていた。大学を卒業してアメリカに派遣されることは決まったが、やはり今後のキャリアを考えるとせめて修士は取っておきたい。とはいえ行きゃあいいというものでもない……何かしっかり研究したいことがないと……ともやもやしていたところでテーマのアイデアがいきなり浮かんだ。掘る価値がありそうだ、それでいこう!となった。これは大学卒業直前のこと。

  

研究計画書

降って湧いたアイデアにとりつかれたようになってしまい、勝手にどんな研究ができるかーというのをあれこれ読んで考えていた。「何はともあれ書いてしまった方が話は早いはず」と書き始めたのは大学院受験の1年と少し前。夏ごろだった。一気にやりたいことを書き、書いたものを読み返しながらいじわるモードで「そういう先行研究って既にないの?」とか「そのやり方妥当?」なんてことをやった。自分相手なので心も痛まない(やりすぎるとちょっと辛くなる)。夏休みは結構な頻度で街の図書館に通い、パソコンに向かう。学校が始まると、日曜日だけ昼~夕方にカフェで。

とはいえいつもやる気に満ち溢れていたわけではなく、「やらなきゃー」と心の中でせっつかれて着手することの方が多かった。そんな時によく使っていたのが、ハードルをめちゃくちゃ下げる方法。「1パラグラフ書けばいい」、「3行書いたらいい」、「1文字書いたらいい」、などなど。どうせ書き始めたらそれ以上書く。自分に足りないのは始めるエネルギー。「今日はファイルを開いたらいい」なんて時もあった。

一気に書けることもある。2年弱の間に3回ほど、一旦白紙にしてから1500字くらいぶわーーーーーっと書けたことがあった。目をウィンドウから離すな!この集中力でいま出てきている思考を全部書け!という異常な状態で、自分では「降りてきた」と呼んでいた。もちろん後で修正はするが、自分でも驚くほど、それまでのぐちゃぐちゃした思考が1本の線に繋がってまとまっていた。ずっと頭の片隅でこね回していたせいだろう。その場でわかりやすい結果が出ずとも、考え続けることは大事なんだと思う。

研究計画書と言っても出願先の大学院によって文量が違う。自分の場合は2,000字程度だったが、1,000字のところもあれば4,000字のところもある。大学院試験について相談を受けた時に1,000字目安の研究計画書を見せてもらったが、あっという間。何を書くかではなく何を削るかという印象だった。逆に4,000字というのも、2,000字をめどになんとかまとめ上げた身としては「これを倍に……!?」という気分である。

研究計画書を書いているときに何度も陥ったのが完成度ジレンマ。どれだけ完璧な計画書でなければならないのか?そもそも研究の手法やなんやらを学ぶための大学院進学、そのための受験では?とはいえ大学で卒業論文まで書いた身、やはりある程度は基本が押さえられている必要くらいはあるはず。とはいえ絶対評価ではなくある程度は相対評価であるはずだから、とりあえず自分ができることをやるしかない……。
これがおおよその思考の流れ。自分は割と「開き直りスタイル」。だって、読みたい本が、あの論文が、手元にないんだから、しょうがない。どこにならあるのかと言うと出願先の大学の図書館。その論文を手にするための審査のようなものだから、うん、勘弁……。そういう気持ちだった。

書いたものは知り合いの日本語教育研究分野にいる人にも見てもらった(ありがとうございました)。誤字脱字、論理のおかしさ、手法のずさんさ、あれやこれや。他人の目は本当に大事。

ちなみに参考文献一覧は字数に含めました。

 

 別の記事で大学院選び・専門科目試験・英語の試験について書く予定です。というか、着手はしています……。しばしお待ちを。

(2019.03.02)