日暮れ、道遠し

つくばで日本語教育をやっている大学院生の、見たこと聞いたこと考えたことなどについて。

1週間!

経った!入学してからである。

「入学したつもり」だったのでは、と言うのも季節外れの杞憂で済んだ。翌日の専攻オリエンテーションでは無事に自分の誇らしげにぼけーっとした顔の載った学生証が机の上で待ってくれていた。

授業も始まった。水曜日(4/10)から始まったので実質授業開始からは5日しか経ってないのだが、なんと月・火は授業がないという時間割。心持ちだけは優雅である。

とはいえ大学院生、あれやこれや済ませなければならないことはある。

と言いたいところだがそこまででもない。どの授業もまだ始まりたての、三寒四温を抜けた春の日みたいなのほほんさに支配されている。課題も出ていることは出ているが、「出ていることは出ているが」みたいな様子。もちろん真面目にはやるけれど。

そんな様子を見かねて、いるはずもなかろうに、あちこちから色々な声がかかる。学類(学部)生向けロシア語授業のTA、留学希望者サポート、プロジェクト参加、えとせとら。面白いくらいに空いた時間を狙って飛び込んでくるからありがたい。ぼんやり時間が空いていても漫然と過ごしてしまうタチなので、生活にメリハリが付くようで本当にありがたい。

そんな風に色々とやることはいただけている。けれどなんだかんだ言っていちばん大事なのは修士論文である。これを書かなきゃどうしようもない。

先日、ポール・J・シルヴィア著、高橋さきの訳『できる研究者の論文生産術』(講談社、2015)を読んだ。リラックスしてゆっくり読んだ。その時間を許してくれそうな本だった。

bookclub.kodansha.co.jp

なんだかそわそわしがちな自分をなだめてくれるような本だった。落ち着かせて、やるべきことをやろう、と思わせてくれた。気がする。

「やんなきゃやんなきゃ」と考えては焦ることにエネルギーを使い結局何もせず、人に晒す頃合いになって泥団子に「しゅうろんけいかく」と書いた付箋を貼り付けている自分の姿がありありと浮かんでいた。二十と余年の人生からだって学べることはある。

早速この本に書かれていたやり方を実践してみた。とりあえず今日はクリア。はじめが肝心。

大学院で大活躍をして鳴り物入りで博士後期課程入り!なんて期待はしていない。とはいえ、今は頑張れる環境にいるんだから、出来る限りはやってみようかと思う。

最近Amazon Primeでずっと『宇宙よりも遠い場所 』を観ている。女子高生が南極に行くお話。それだけ書くと壮大だが、蓋を開けてみればその辺にいそうな女子高生がその辺で起こりそうなやり取りを重ねて目標に向かっていく、めちゃくちゃに緻密で丁寧な描かれ方をしている作品だった。

yorimoi.com

作品だった、と言いつつまだ半分くらいしか観ていない。でも、この作品の「丁寧に、文脈を作ってゆく」感覚はものすごく伝わってきた。

自分も日々をきっちり過ごして、最後に、こう、いい感じに〆られたらいいなと感じた。感じている。アニメからだって学ぶことは多いのだ。

そんな風に教訓めいたことを書いて今回はここまで。ごきげんよう